誕生! 美少年戦士ラブリーブルー


2007.10.13
作:石山



 夕陽の光の中、1人の少年と1人の少女が高校からの自転車に乗って家に向かっていった。その2人の前を横切るように河川敷の草むらから小さなモノが飛び出してきた。

「きゃっ」

 少年たちは急ブレーキをかける。

「なにこれー」
「イタチじゃない?」

 イタチは傷ついているようで、よろよろと頼りなく歩いている。そのうち、止まってしまいぺたりと這いつくばってしまう。

「大丈夫かな?」
「どうしよう」

 少年と少女は自転車から降りて見守る。しかし、噛みつかれたりするかもしれないと思い、どうするか決めかねているようだ。その時、激しい稲光で視界がふさがれる。少年たちは抱きついてその場にうずくまった。

「いけない」

 少女たち以外の者が声を発する。それは、地面に横たわるイタチだった。

「え、え」
「何?」

 イタチは体を震わせながら天を仰ぐ。思わずそちらに目を向ける少年たち。

「ゲルマニウムめ」

 イタチがそう声を発した途端、天から高笑いと共に黒い靄が降りてきた。周囲から光が失われていく。

「君達は早く逃げるんだ」

 イタチは意思のこもった瞳で2人を見た。2人は顔を見合わせてぼそぼそと話し始める。どうやら夢だと思っているらしい。少女が少年の頬をつねっている。

「危ないっ」

 黒い靄から赤い光が放たれた。それを見た少年が少女をかばって、その光を浴びてしまう。赤い光を放った黒い靄から女の声が響いてくる。

「バルバン、お前の言う戦士はみつかったかい? ふふふ、そんなわけないわね。すぐさまあんたを見つけてあげたんだから」
「ゲルマニウム、地球を守るのは俺だけじゃないぞ」
「そんなことを言って、そこの坊やを見る事ね」

 光を浴び、多量の汗を書いていた少年が少女の支えを振り切って体をかきむしり始めた。

「ほーら、私のしもべになるのよ」

 女の声に反応したのか、少年の体が丸みを帯びてくると胸が大きく、腰が引き締まり、お尻が膨らんでいく。少年は淫靡な雰囲気を出す女へと変わっていた。コスチュームも限り無く薄く、限り無く面積が小さい。

「なおとっ」

 少女の叫びも女の笑いでかき消される。

「さあ、そこの小娘ともども引き裂いておしまい」

 だらっと垂らした腕の先には鋭い爪が伸びていく。少女を見るその目は赤く染まっている。

「いけない。こうなったら」

 イタチが呆けている少女のスカートの中にもぐりこんでしまった。もぞもぞと少女の太股をよじ登ると、股間へたどり着く。いきなりのことで跳ね回る少女。

 その股間に取り付いたイタチは少女のパンティを食い破ると、そのまま少女の割れ目の中へともぐりこんだ。まるで頭が厚みがなくなったようで、すんなり入り込む。

「な、なによっ」

 怪人となってしまった少年がじりじりと近寄る前に少女の体から温かい光が放たれた。

 それは股間から広がり、体を覆っていく。服が飛び散り、光の中に少女の裸身が浮き上がる。股間でもがいているイタチは硬い一本の棒へと変化し、下に皮の袋が垂れ下がっている。膨らみかけの胸は薄い胸板へと変化し、手足に筋肉の筋が浮かんでくる。

 そして光が収まると、革パンツに上半身に網シャツという姿でその場に立っていた。かなりの美少年だった。

「な、なんなのよっ」

 低すぎず高すぎない中性的な声で少女が叫ぶ。すると少女の中に声が広がった。少女は網シャツが気になるようで、胸を手のひらで隠している。

『ごめん、君の体を少し借りるよ。しかし、相性があまりよくないみたいで、ちょっと貧弱だったのが残念だよ。ああ、避けてっ』

 怪人が少女へと腕を突き出した。その鋭い突きを避けそこね、少女は弾き飛ばされる。

「第4世界で最強と呼ばれたお前がそんな無様な姿を晒すとはな」

 黒い霧はそう嘲り笑う。

「さあ、とどめをさすんだ」

 倒れた少女は弾き飛ばされたときに少し気を失ったようだ。股間からイタチ、いやバルマンが呼びかけている。

『友達を助けるためには君の力が必要なんだ。さあ、立ってくれ。頼む』

 少女は少年を助けるために立ち上がった。怪人となった少年が襲い掛かる。少女は、鋭い爪を避けながら体から響く声に問いかける。

「ちゃんと元に戻るんでしょうね」
『大丈夫、技を使うんだ。そうすれば、彼は元に戻る。さあ、唱えるんだ。ライトニングブーストと』

 少女は唱えた。

「ライトニングブースト」

 美少年となった少女の体が燃えるように熱くなり、股間の張りがきつくなる。革パンツが裂け下半身が露出される。驚いた事に股間のものはベルトに固定されていた。その股間のモノが体を引きずるように怪人の腰へと突き進む。

「な、なにするのよ、これ、や、なんて」

 次の瞬間には、怪人があえぎ声を上げていた。股間から生えたモノが怪人となった少年の腰とつながっている。少女は怪人の強力な力によって締め付けられる快感に抑えきれず、心の奥底から沸いてきた言葉を叫んだ。

「ライトニングシャワー」

 美少年戦士の中から光の奔流が怪人の中へと注ぎ込まれた。どくどくと小刻みに2人の体が揺れる。怪人から甘い吐息が漏れ始める。それは波動となって周囲へと漏れ出る。

「紗江・・・」

 怪人はその豊かな胸を抱えるとそのまま倒れこんでいった。すると美少年戦士からあふれでた光が黒い靄にも及び始める。黒い靄はあせりの声が発せられ、徐々に後退を始めた。

「今日のところは退いてやる。次はないと思え」

 黒い靄が消えた後には、さきほどまでの夕暮れの河川敷が広がっていた。そして、元に戻った少年が気を失って横たわっている。

 網シャツで下半身を露出した美少年戦士はそのままだった。少女は股間で蠢くものを引き抜こうとがんばっている。それはすでに男のモノではなく、イタチの下半身に戻っていた。短い足をぱたぱたと振っている。

 少女の体は、丸みを帯びてきて胸が元に戻ってきた。

「ちょっと動かないでよ」
 
 少女は人影を見つけて慌てて草むらへともぐった。飛び込んだと同時に、飛び散っていたはずの服も元に戻った。いや、破けたパンティの穴だけはもどっていない。

「よかった・・・。はやく、出てきてって」

 ずりゅいう湿った音と少女の切ない声と共にイタチが股間から抜け出てきた。イタチは少女を見上げて言った。

「ふむ。ちょっと顔がふやけてしまった」

 それが少女の、いや、美少年戦士ラブリーブルーの戦いの始まりだった。



あとがき

男体化スレにてもらった御題、美少年戦士と合体をいただいて書きました。テンションがおかしいです。


石山