TS昔話 灰被り姫

みのむー 作


  ある所に、継母とその連れ子にいつもいじめられている灰被りと呼ばれる少女がいました。
 継母や義姉たちのいじめにも、ずっと耐え続けていました。
 ある日お城で舞踏会が開かれ、義姉たちは着飾って行きましたが、灰被りだけは着るドレスが無いので行きたくても、行けなかったのです。
 ところが、魔法使いの不思議な力で、行けるようになりました、
 魔法使いは、灰被りにこう言いました。
「いいかい、灰被りや。お前に掛けた魔法は12時になると消える。それまでに帰ってくるんだよ」
すると、灰被りは
「分かりました。気を付けます。
 舞踏会に行けるようにしてくださり、ありがとうございます」
と言い、お城の舞踏会に行きました。
 かぼちゃの馬車で、お城についた灰被りは、舞踏会の最中に入りました。
 そのあまりの美しさに参加した人々から、どよめきがおこりました。
 そして、王子に見初められてダンスに誘われて踊りました。
 灰被りは、時間が経つのを忘れて、踊っていました。
 が、突然鳴り響いたお城の鐘に慌てて、城の時計を見ると12時になろうとしていました。
「すみません。もう帰らないとなりません」
王子にそう言うと、逃げるように急いで階段を降りようとします。
 が、王子が追い掛けて来ます。階段の真ん中辺りまで来たところで、ガラスの靴が脱げてしまいます。
 と、同時に王子に手を掴まれてしまい、一緒に落ちてしまいました。
 幸い二人とも落ちて直ぐ目を覚ましました。
「う、うーん。あいたたた。大丈夫ですか? 王子さま?
 って私が目の前にいるー!?」
「どうやら、入れ替わってしまったようですね。灰被りは、大丈夫ですか?」
「は、はい。大丈夫ですが。って王子さま。なぜ私の名前を?」
「詳しい事を言っている暇はありません。このガラスの靴を片方持っていてください。そろそろ、貴方に掛けた魔法が解けてしまいます。
 私はこのまま、貴方になりすまして家に帰ります。貴方には無理かも知れませんが、私の振りをしてください」
それだけ言うと、灰被りになった王子は、灰被りの家に帰って行きました。
 王子になった灰被りは、ガラスの靴を握りしめたまま、呆然としていました。心配した周りの者たちが言うように王子の寝室で、寝る事にしました。
『おーい、灰被りー。聴こえますか?』
「わっ、王子さまの声。一体何ごとかしら。ガラスの靴から聴こえるけど」
『あー。良かった。通じましたか。実は魔法を使って会話をしているんですよ。
 しかし、君の体っていいですねー。あっ、別に変な意味じゃなくて、魔力がみなぎってるから魔法が使いやすいって意味で』
「あのー? 王子さま?」
『あー。ごめんごめん。まあ、君にドレスやらを魔法で出した魔法つかいは、実は私なのですが。
まさか、階段に仕掛けたピッチで落ちて入れ替わるとは想定外でした。
 まあそれは、置いといて、これからの事を話そうかと』
「これからの事ですか?」
『うん。とりあえず、朝になったら、周りの者にこう言うんだ。
《ガラスの靴が合う女性を后にする》
とおふれを出すように。
 どうせあの靴は君の体にしか合わないように魔法がかけてあるから』
「わかりました。所で王子さま、既に私の体見ました? 汚くありませんでした?」
『うん。着替えたりするのに、見ないわけには行かないからね。綺麗な体だったよ』
「恥ずかしいけど、嬉しい」
『とにかくおふれの件は頼むよ』
「わかりました」


 そして翌朝、周りの者に、おふれを出して、国中を見て回る事にしました。
 我先にと国中の女性が名乗りを挙げますが、、皆合いません。
 当たり前です。灰被りにしか合わないのですから。
 そうこうしているうちに、灰被りの家の前に来ました。
 義姉たちが、足を切ってでも履こうとしますが、駄目でした。
 そして、灰被りの姿の王子が何食わぬ顔で履いて、皆を驚かせます。
 さらに、王子の姿の灰被りに、目配せをしながらこう言いました。
「もう片方のガラスの靴は、ここにあります」
と、ガラスの靴を出して、履いてみせました。
 王子の姿の灰被りは、舞踏会での王子の振る舞いを思いだしながら。
「間違いない。この者を后に迎えよう」
と、言いました。

 二人は、元には戻らなかったのですが幸せにくらしましたとさ。

おしまい。                   
 


  
   あとがき
   
  やー。やっちゃった感が自分でしますが(;´д`)
昔話のシンデレラが、ラスト近くであんなしたたかになるのは……
と、想像したまでです。
似たようなのを既に誰かが書いてそうですがorz